COPDは栄養管理も大切

COPDで多い栄養障害

COPDでは、栄養障害が多くみられます。栄養障害は、特に重症度の高い方に多く、約40%の方に体重減少がみられます。栄養障害の原因として、気流の閉塞、加齢、食事量の減少、消化管機能の低下、呼吸困難など、さまざまな要因が関与しているといわれています。

栄養管理は自身でできる重要な対策の一つ

病気になると薬で治療するイメージが強いかも知れませんが、COPDでは薬物治療以外にも、禁煙や効率の良い呼吸法の習得など、ご自身でできる対策も多々あります。「栄養管理」も重要な対策の一つです。COPDでは、呼吸不全によって健康な人に比べてエネルギーの消費量が増加するため、エネルギー不足や栄養不足にならないように注意が必要です。栄養障害になると、体重減少のみならず運動能力低下や筋力低下にもつながりますので、毎日の食事で栄養をきちんと摂るように心掛けることはとても大切です。医師や管理栄養士による栄養指導に基づいて、ご家庭でも工夫してみましょう。

COPD患者さんの栄養管理のポイント

  • 十分なエネルギー量を摂取する
  • 食事回数を多くする(満腹まで食べることを避け、その分食事の回数を増やす)
  • たんぱく質を多く摂る(COPD患者では骨格筋量の減少や筋力低下が起こりやすいので、体重1kgあたり1.2〜1.5gの高タンパク食を心掛ける)
  • 食事による腹部膨満が問題となる場合には、消化管内でガスを発生するような食品を避け、食事回数を多くする

監修:鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 呼吸器内科学分野 教授 井上 博雅先生