更年期にはどうして自律神経失調症のような症状が起こるのですか? | オムロン式美人

更年期にはどうして自律神経失調症のような症状が起こるのですか?

女性ホルモンは、脳の視床下部から脳下垂体へ、そして卵巣へと指令が伝えられ分泌されます。この視床下部には自律神経をコントロールする働きもあるため、更年期に女性ホルモンが急激に減少すると、司令部の視床下部にも影響し自律神経も乱れてしまいます。

更年期の症状は、「女性ホルモンの低下」「生活環境(ストレス)」「その人の性格」の3つの要因がトリガーとなって起こりますが、その中には、自律神経の不調による症状が含まれます。それはなぜだと思いますか?
まず、女性ホルモンの分泌量をつかさどっているのは、脳の視床下部と脳下垂体というところです。特に視床下部は、血流、血圧、心拍、発汗、体温などに関わる自律神経や内分泌系、免疫系、感情などもコントロールする働きをしています。
ところが、閉経が近づくにつれて卵巣機能が低下し、女性ホルモンが減少してくると、脳はホルモンをなんとかして回復させようと頑張ってしまうのです。視床下部から脳下垂体、そして卵巣という流れで、「もっとホルモンを出せ!」と命令を出します。しかし、卵巣はもはやその指令に答えることができないので、脳は混乱し、暴走をはじめてしまいます。その影響を受けて、自律神経のバランスや感情面、免疫系の働きなども一緒に乱れてしまうというわけです。
更年期の症状と自律神経失調症の症状がとてもよく似ているのは、こうした理由からです。

<更年期にはどんな症状が起こりやすいの?>

更年期にあらわれる症状は非常に多様で、200種類以上あるとも言われます。具体的な症状としては、自分の意識とは別に、ホットフラッシュ(顔のほてり、のぼせ、発汗)や動悸が起こったり、急に暑くなったり、寒くなったり……。感情面では不安感や焦燥感を強く感じる人も。また、自律神経の交感神経が緊張(亢進)してしまうと、イライラ、息切れ、不眠、頭痛などが起こりやすくなります。また、副交感神経が抑制された状態として、胃腸の調子が悪い、便秘、下痢、無気力、集中力低下などが起こります。
更年期症状の出方には個人差があり、つらくて治療が必要な人もいれば、ほとんど感じずに過ごせる人もいます。人によって強く出る症状も異なります。

<女性ホルモン分泌の流れ>

脳視床下部→性腺刺激ホルモン放出ホルモン→脳下垂体→性腺刺激ホルモン→卵巣→女性ホルモンを分泌

<自律神経とは?>

自分の意志や意識で働かせることのできない神経のこと。血流、血圧、心拍、発汗、体温など、生命を維持する上で重要な機能をコントロールしています。自律神経には、対照的な働きを持つ交感神経と副交感神経の2つがあり、このバランスによって心身は健康に保たれています。強いストレスなどで乱れてしまうことがあります。

女性ホルモンの分泌のしくみ

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