PMSの症状に個人差があるのはなぜですか?また、加齢による変化はありますか?
PMS症状の出方や強さには、ホルモンの影響のほか、その人が置かれている環境や性格的な傾向も影響します。加齢によって症状が変化することもあります。
PMSの大きな要因の1つは、女性ホルモン、特に黄体ホルモン(プロゲステロン)の変動です。体だけでなくメンタルにも影響が現れます。
そもそも女性は、2つのホルモン変動にさらされながら生きています。一生の大きな女性ホルモンの変化と毎月の月経のリズムのことですね。そして、女性ホルモンの分泌には、脳にある視床下部というところが関係しています。視床下部は自律神経の中枢でもあるので、女性ホルモンの変動が大きい時期には、自律神経の変調をきたしやすいのです。
加えて、PMSは真面目な人や几帳面な人に症状が強く出やすいと言われています。ストレス(環境要因)や性格的な傾向(気質要因)もPMSを悪化させる要因になります。そのため個人差も大きくなるわけです。PMSがまったく気にならない人もいれば、PMSがつらくて仕事に行けなくなってしまう人もいます。
更年期など、女性ホルモンの分泌が劇的に変化する時期には、それまでのPMSの症状も変化します。PMSがひどくなり、更年期に移行していくこともあります。しかし、閉経後は月経が停止するので変動としてのPMSはなくなります。
なお、PMSの治療では低用量ピルを使って緩和できます。低用量ピルは排卵を抑えるので女性ホルモンの量が大きく変動することがなくなり、体調やメンタルが安定しPMS症状、特に身体症状が緩和されます。