家庭でできる骨折の予防になる運動・ストレッチ
骨折は治るまでに時間がかかるため、スポーツ活動や日常生活に支障をきたします。高齢者の場合は、寝たきりの原因になることもしばしば。世代を問わず、骨折は避けたいですね。骨折を未然に防ぐには、ケガをしにくいからだ作りが重要です。ここでは、家庭でできる骨折予防のための運動・ストレッチをご紹介します。
骨折を予防する4つのポイント
骨折を防ぐには、骨力を上げる運動をするとともに、骨折予防のエクササイズをすることが大切です。骨折しないための4つのポイントをご紹介します。
1. 骨力を上げる運動
私たちの骨は、新しい骨を作る「骨芽細胞」と古い骨を壊す「破骨細胞」がバランスよく働くことで、丈夫に保たれています。しかし、年齢とともに骨芽細胞による骨形成能力は低下。破骨細胞の働きのほうが活発になるため、骨力が徐々に低下します。これを防ぐには運動が必要です。運動で骨に刺激を与えると、骨芽細胞が活性化して、新しい骨を作る指令が下されます。日々の生活に簡単な運動を取り入れて、骨力の向上を目指しましょう。
2. 柔軟性
久しぶりに運動すると、転倒してケガや骨折をすることがあります。その背景にあるのが、柔軟性の低下です。ストレッチで柔軟性を保ち、からだを動かせる範囲を広げておくことが大切です。
3. 筋力
つまずく、ぶつかる、倒れるといったアクシデントがあっても、自分を支える筋力があれば踏みとどまることができます。継続的に筋力トレーニングを行いましょう。
4. バランス能力
バランス能力が低下すると、正しい姿勢を保ったり、安定して立ったり座ったりするのが難しくなって、転倒しやすくなります。片足立ちをしたり、足指を鍛えたりして、バランス能力を鍛えておく必要があります。
家庭でできる骨折予防のためのエクササイズ
家庭でできる骨折予防の簡単エクササイズをご紹介します。楽しみながら、無理のない範囲で行ってください。
かかと落とし
かかとを落としたときの刺激が骨芽細胞を活性化します。
- 足を揃えてまっすぐに立つ
- かかとを上げてつま先立ちになる
- 足の力を抜いて、かかとをストンと地面に落とす
- 10回を1セットとして、1日3セット行う
股関節ストレッチ
股関節の動きをよくして、柔軟性を高めます。
- 壁の近くに立つ
- 片手を壁につき、逆側の手は腰に当てる
- 片足を上げてひざを90度に曲げる
- 足を曲げたまま前後に振る
- もう片方の足も同様に行う
- 1~4を1セットとして、各10回行う
つかまり立ちスクワット
椅子などにつかまって行うストレッチです。太ももの前面を鍛えて、支える力を養います。
- 椅子の背もたれを両手で持つ
- 背筋を伸ばして、足は肩幅に開く
- ひざがつま先よりも前に出ないよう注意して、ゆっくり腰を落とす
- ゆっくり腰を上げて、もとの姿勢に戻す
- 10回を1セットとして、1日2セット行う
フラミンゴ立ち
片足でバランスをとりながら、足の筋肉を鍛えます。慣れるまでは、椅子や壁などに片手をついてもいいでしょう。
- まっすぐに立って両手を横に広げる
- 片足立ちになり、もう片方の足は直角になるまで上げる
- そのままの姿勢で1分間キープ
- もう片方の足も同様に行う
- 1~4を1セットとして、1日3セット行う
今回は家庭での対策として、簡単な骨折予防のエクササイズをご紹介しました。場所や時間は問わないので、毎日少しずつでも続けましょう。
- 参考)
- 医学辞典編集部『日常生活ですぐに使える健康知識 家庭の医学 緊急編(SMART BOOK)』SMART GATE Inc.
- 国際スポーツ医科学研究所『新版 図解 スポーツコンディショニングの基礎理論』西東社
- 橋口さおり『運動・からだ図解 痛み・鎮痛のしくみ』マイナビ出版
- クロワッサン『Dr. クロワッサン 何歳からでも骨は強くなる。』マガジンハウス
- 監修:
- 京都大学大学院医学研究科 青山朋樹教授
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