オスグッドの予防法と痛みを和らげるケア法
スポーツに取り組む成長期の子どもに発生しやすい膝の痛み。ただの成長痛ではなく、オスグッドかもしれません。ここでは、痛みを和らげるケア方法と予防法を紹介します。
痛みを和らげるケア法と注意点
強い症状が現れた場合は、2~3ヶ月間の安静が必要になります。サッカーやバスケットボールなどの部活動に入っていて試合が近い、大会を目指しているなど、「そんなに練習を休めない!」と感じるケースもあるかもしれませんが、後遺症などのリスクを考えると、この時期は思い切って休む対応がベストです。
痛みを軽くするためには、氷を使って膝の皿の下を冷やすアイスマッサージや、太ももの前にある大腿四頭筋(だいたいしとうきん)のストレッチなどが効果的です。ただし、やり過ぎは逆効果にもなるので注意しましょう。
成長期の骨はまだ弱いため、ハードなストレッチを行うと骨の一部が筋肉や靱帯に引っ張られて剥離骨折(はくりこっせつ)を起こす可能性があります。また、必要以上に冷やすと筋肉が硬くなって血流が悪くなり、成長を妨げてしまう場合もあるので、様子をみながら行うことが大切です。
休息をとって痛みがなくなったように感じても、運動を再開すると再発する場合もあります。できるだけ患部に負担をかけないよう、練習時にサポーターやベルトを使用するなど、対策をとることをおすすめします。
今日からできる予防法
オスグッドのようなスポーツ障害は、日頃から予防に取り組むことが重要です。以下の3つの予防法を意識しましょう。
1. 練習メニューを見直す
オスグッドは、スポーツのしすぎによって引き起こされます。子どもの成長に応じ、運動量や練習メニューを調整しましょう。
2. 栄養をまんべんなくとる
成長期は急激に骨が伸びたり、筋肉が大きくなったりします。必要な栄養を届けるために、好き嫌いをしないで、まんべんなく栄養を取ることが大切です。たんぱく質や鉄分もしっかり摂りましょう。
3. ゆっくりと適度なストレッチをする
運動前と運動後には、ストレッチを行うのが基本です。呼吸を続けながら、痛いと感じない程度にゆっくりと伸ばしていきます。反動をつけずに、じっくりと気持ちよい状態をキープしましょう。
大腿四頭筋のストレッチ
- 右手で右足を持ち、ゆっくりと後ろに引きます
- 太ももの前が伸びているのを意識しましょう
- 反対側も同様に行います
- ※床に両手をついて行っても可
成長期における子どもの骨はとてもデリケートです。親や子どものスポーツを指導、監督する立場の大人は、その点を知っておき、無理な運動をさせないよう注意をしておく必要があります。なかなか痛みが治まらない場合は、速やかに医師に相談できるようサポートしましょう。
- 参考)
- 伊能良紀『図解入門 よくわかる膝関節の動きとしくみ』秀和システム
- 山口典孝『ボディメカニズム リハビリ、スポーツのための生理解剖学』秀和システム
- 千葉県医師会『子どもの骨を徹底解明!後編 成長痛のウソ(PDF)』
- 日本整形外科スポーツ医学会『スポーツ損傷シリーズ 1.オスグッド病(PDF)』
- 監修:
- 京都大学大学院医学研究科 青山朋樹教授
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