膝の痛みを予防する肥満解消ダイエット
定期的に体重計に乗っていますか? 実は、膝の痛みには体重が大きく関係しています。体重が増えれば増えるほど、当然ながら膝にかかる負担が大きくなるほか、膝に痛みがあると運動不足になり、さらに体重増につながるという悪循環に陥りがちです。体重を上手にコントロールして、膝の痛みを予防・改善しましょう。
肥満が膝の痛みに与える影響
私たちが日常生活で、歩く、立つ、座るなどの動作がスムーズにできるのは、膝の関節が正常に機能しているからです。人が歩くときには体重の2〜3倍、階段の上り下りをするときには6〜7倍もの負荷が膝にかかっています。つまり、体重が重くなるほど、膝にかかる負担も大きくなるわけです。
肥満の人は膝にかかる負担が大きく、クッションの役目を果たしている軟骨がすり減りやすくなります。その結果、骨同士がぶつかりあって炎症を起こし、膝痛が生じるのです。
また、太っている人の膝は内側に余計な負担がかかり、O脚傾向になります。O脚が進むと、内側の軟骨がすり減って、ますます関節の内側に負担がかかります。膝への負担を軽減するために、適正な体重を保つことが大切です。
体重をコントロールする方法
肥満を解消するには、食事と運動の両面からのアプローチが必要になります。体重コントロールに焦りは禁物です。月に1〜2kgの減量ペースを目標にしましょう。
食事
摂取カロリーを抑えつつ、1日3食きちんと食べるのが基本です。主食・主菜・副菜を組み合わせて、必要な栄養素をバランスよく摂取しましょう。代謝をサポートする「ビタミン」「ミネラル」を含む食材を積極的にとり、野菜・きのこ類・海藻類は1日に350g食べることを意識してみてください。反対に、甘いものや脂っこいものはできるだけ控えましょう。同じ量の食事でも、ゆっくり食べたほうが満足感を得やすくなるので、食べ過ぎを防ぐためにも、しっかり噛んで食べましょう。
運動
体重を減らすには、運動を習慣化することが大切です。とはいえ、今まで運動をしていなかった人がいきなりハードな運動をしようとしても長続きしませんし、膝を痛める原因にもなります。無理のない範囲で行うのがポイントです。
ウォーキングや水泳、軽いジョギングといった有酸素運動と、筋トレなどの無酸素運動を組み合わせると、さらに効果が高まります。しかし、いきなり運動を始めると、ケガなどのトラブルを招きかねません。運動前後にはストレッチを取り入れましょう。
膝の痛みの緩和や予防だけでなく、長期的な健康管理につながる体重コントロール。無理のない範囲で生活習慣の改善を行い、習慣化していきましょう。
- 参考)
- 三井 弘『ひざ・腰・肩の痛みの最新治療―変形性膝関節症・坐骨神経痛・骨粗鬆症・椎間板ヘルニアなど(よくわかる最新医学)』主婦の友社
- 宗田 大『最新医学図解 詳しくわかるひざ・股関節の痛みの治療と安心生活』主婦と生活社
- 監修:
- 京都大学大学院医学研究科 青山朋樹教授
- みんなに教える
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