対策・治療

膝の痛み改善に効果的なストレッチ方法

膝に痛みがあると、動くのが億劫になってしまいますよね。しかし、安静にしているのは逆効果です。膝に限らず、関節は動かさないでいると萎縮してしまい、ますます動かしにくくなります。そうならないためにも、運動で膝関節の周りにある筋肉を柔軟に保つことが大切です。ここでは、膝を支える筋肉である大腿四頭筋(だいたいしとうきん)、前脛骨筋(ぜんけいこつきん)、腓腹筋(ひふくきん)のストレッチ方法をご紹介します。

目次
膝の仕組み
膝を曲げると痛い時に有効なストレッチ

膝の仕組み

膝関節の構成

膝の関節は、太ももの大腿骨と脚のすねにある脛骨(けいこつ)、一般的に「膝の皿」と呼ばれている膝蓋骨(しつがいこつ)で構成されており、脛骨を支えている腓骨(ひこつ)を含め、その周囲は関節包(かんせつほう)という袋に包まれています。骨と骨の接合部分が浅いため、不安定になりがちですが、周囲にある筋肉や腱、靭帯などが関節の安定性を保つ役割を果たしています。

膝関節軟骨とは

また、膝関節で最も重要な役割を果たしているのが、膝関節軟骨です。膝関節軟骨は少しずつ消耗し、一度磨耗したら元に戻りません。筋力が衰えると、軟骨の磨耗を早めてしまいまい、膝の痛みの原因になります。膝周りの筋肉をしっかり鍛えて、膝への負担を軽減しましょう。

ストレッチで伸ばす膝周りの筋肉

膝の内側を支える筋肉 - 大腿四頭筋(だいたいしとうきん)
太ももの前側にある筋肉です。大腿直筋、中間広筋、外側広筋、内側広筋の4つの筋肉で構成されています。膝の曲げ伸ばしをする際に、重要な役割を担っています。
膝の外側を支える筋肉 - 前脛骨筋(ぜんけいこつきん)
脛骨と足首をつなぐ筋肉です。足首を引き上げる、内側に反らす、土踏まずのアーチを維持するといった働きがあります。アーチが崩れるといわゆる扁平足になって、膝や足首、腰などに負担がかかりやすくなり、膝痛の原因になります。
膝の外側を支える筋肉 - 腓腹筋(ひふくきん)
ふくらはぎを構成する筋肉のひとつです。膝や足首の曲げ伸ばしをサポートします。腓腹筋が弱ると、足首の動きが悪くなって、膝の動きが不安定になります。

膝を曲げると痛い時に有効なストレッチ

膝周りの筋肉を柔軟にするためのストレッチを2つご紹介します。

膝の内側の痛みを軽減するストレッチ

  1. 壁に片手をついて立ち、片足の膝を曲げ、つま先をつかみます
  2. つま先をお尻の方へ引き寄せ、太ももの前側を伸ばします
  3. 息を吐きながら30秒キープします
  4. 反対側も同様に行い、左右2〜3セット行います

膝の外側の痛みを軽減するストレッチ

  1. 床に座って両足を伸ばします
  2. つま先をゆっくりと遠くに伸ばして、すねを伸ばします
  3. つま先をゆっくりと手前に引き寄せ、ふくらはぎを伸ばします
  4. 2〜3を10回繰り返します

膝の痛みを軽減するためには、動かすことが大事です。ストレッチを活用しながら、無理のない範囲で運動してみましょう。

参考)
ホーム・メディカ『家庭医学館』小学館
橋口さおり『運動・からだ図解 痛み・鎮痛のしくみ』マイナビ出版
三井 弘『ひざ・腰・肩の痛みの最新治療―変形性膝関節症・坐骨神経痛・骨粗鬆症・椎間板ヘルニアなど(よくわかる最新医学)』主婦の友社
伊能良紀『図解入門 よくわかる膝関節の動きとしくみ』秀和システム
監修:
京都大学大学院医学研究科 青山朋樹教授
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原因・予防

膝の痛みを予防する肥満解消ダイエット

定期的に体重計に乗っていますか? 実は、膝の痛みには体重が大きく関係しています。体重が増えれば増えるほど、当然ながら膝にかかる負担が大きくなるほか、膝に痛みがあると運動不足になり、さらに体重増につながるという悪循環に陥りがちです。体重を上手にコントロールして、膝の痛みを予防・改善しましょう。

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変形性膝関節症の治し方 - 運動および薬、手術による治療法

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変形性膝関節症の治療法には大きく分けて、手術をせずに運動や薬で症状を緩和させる保存療法と手術療法の2種類があります。まず取り組みたいのが、保存療法にあたる運動療法とつらい痛みへの対症療法の基本となる薬物療法です。保存療法を2〜3ヵ月続けても効果がなく、さらに膝の痛みや変形が悪化している場合は、手術療法が行われます。ここでは、運動療法・薬物療法・手術療法についてご紹介します。

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