基礎知識

急性痛とは何か?
その特徴と注意点

痛みは大きく急性痛と慢性痛の2つに分類されるとご存知ですか? 突然のケガや病気などによって起こるのが急性痛です。ほとんどが一過性の痛みで、時間が経過すれば治まります。しかし、痛みがひどかったり、長引いたりすると慢性化するリスクがあるので注意が必要です。

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目次
急性痛とは
慢性化のリスク

急性痛はからだの異変を知らせるシグナル

急性痛とは、急な外傷や病気などによる痛みです。基本的に一過性かつ局所的で、ケガや病気が治ると痛みもなくなります。もともと痛みはからだの異変を知らせるシグナルですが、まさに警報としての重要な役割を担っているのが急性痛です。一方、慢性的な痛みは警報としての役目は薄くなり、神経や脊髄の損傷や心理的・精神的な要因で痛みを感じている状態といえます。
急性痛が発生すると、それに立ち向かうために交感神経・副腎皮質系の働きが活発になり、闘争・逃走本能を活性化するアドレナリンが大量に分泌されます。これは動物としての本能的な反応で、敵と遭遇したときに「戦うべきか、逃げるべきか」をすばやく判断する必要があるからです。
交感神経が優位になると、呼吸数・心拍数の増加、発汗作用、血圧上昇、筋肉の緊張といった生体反応が起こります。このようにからだを臨戦体制にする反応を緊急反応といい、ストレスにさらされたときにも同じ反応が起こります。
急性痛の場合、まず痛みの原因を取り除くのが大切です。原因が解消されれば、痛みも徐々に消失します。

急性痛の種類

急性痛には次のようなものがあります。

  • ・外傷
  • ・やけど
  • ・打撲
  • ・骨折
  • ・手術後の痛み
  • ・分娩(陣痛)
  • ・帯状疱疹(たいじょうほうしん)

痛みの悪循環に陥ると慢性化することも

通常、適切な治療をすれば、急性痛は短期間でなくなり、交感神経・副腎皮質系の働きによる緊急反応も治まって、心身の安定を取り戻せるでしょう。しかし、痛みがひどかったり、長引いたりした場合は、なかなか緊急反応が治まりません。その結果、交感神経の興奮によって血管が収縮し、血流が悪くなって酸欠状態になります。すると、痛みを生み出す発痛物質が放出されて痛みが生じ、その痛みがさらに交感神経に刺激を与えるという悪循環に陥ってしまうのです。その上、痛みに対するストレスや不安が加わって、ケガや病気が治ったあとにも痛みが続く、慢性痛に移行する場合があります。慢性化しないよう、痛みを感じたら放置せずに早めに対処しましょう。

まず必要なのは、急性痛の適切な治療です。その後も、痛みが慢性化しないよう、きっちりとケアをすることが大切です。

参考)
橋口さおり『運動・からだ図解 痛み・鎮痛のしくみ』マイナビ出版
監修:
京都大学大学院医学研究科 青山朋樹教授
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痛みの伝達経路と脳が認識するしくみ

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